動画発見、筑豊の炭鉱王 活動生き生き 伊藤伝右衛門 一般公開も

「筑豊の炭鉱王」と呼ばれ、歌人・柳原白蓮の夫としても知られる伊藤伝右衛門(1860‐1947)の生前の姿を撮影した16ミリフィルムが、5日までに見つかった。1935(昭和10)年前後の撮影とみられる。伝右衛門の写真は数多く残るが、動画の発見は初めて。4月には炭鉱隆盛期の栄華を伝える旧伊藤邸(福岡県飯塚市幸袋)の全面公開が予定されており、飯塚の観光PRに弾みがつきそうだ。

 フィルムは、孫の森脇真里子さん(80)=福岡市中央区=が保管していた。無声映像を主に十数本あり、伊藤家専属のカメラマンが撮影したとみられる。聖福寺(福岡市博多区)住職だった禅僧・仙ガイの100年忌追悼茶会や、伝右衛門が経営した宝珠山炭鉱第2坑(同県東峰村)の地鎮祭、プライベートの上海旅行の様子などが収められ、炭鉱王の精力的な活動ぶりがしのばれる。

 森脇さんが一部をDVDにデジタル化し、旧伊藤邸の保存に力を入れてきた飯塚商工会議所女性会の小野山とし子会長らに提供した。今後、飯塚観光協会などがすべての映像をDVDに収録し直し、旧伊藤邸公開前までに一般公開する予定だ。

 同協会の瀬下麻美子顧問は「写真でしか見られなかった伝右衛門の動く姿が一般に紹介でき、邸宅公開へ向けた企画に厚みが増す」と歓迎し、伝右衛門と白蓮を素材にした観光ルートのPRなどに活用したいという。

西日本新聞 - 2007/1/6

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